小型のサンショウウオ
オオサンショウウオはとてつもなく大きい生き物ですが、同じ仲間に小さい小さいサンショウウオがいます。成体でも手のひらに乗るぐらいの大きさで、石や落ち葉の下でひっそりと生息しています。
●日本には18種が確認
  オオサンショウウオと小型のサンショウウオが同じ仲間だと言われても、この大きさのあまりの違いは、全く別種のものと考えた方がいいのではと思うほどです。 
 日本に生息する小型サンショウウオは18種ほどいると言われていますが、渓流沿いの石の下や湿った土壌の中にいるため、一般の人が見ることはめったにありません。専門家でも見つけることは困難で、その生態、分類は今後の研究で変わる可能性もあります。

●同定が難しい生き物
  小型のサンショウウオは外見的にはどれもよく似ています。同じ種でも地域差がかなりあるとされ、同定が難しい生き物のひとつとしても、知られています。たぶん、専門家でないと識別は難しいでしょう。観察には詳しい図鑑は必携です。

●春、産卵に水辺に集まる
 小型のサンショウウオの多くは、冬眠から目覚めた春に産卵します。卵は約3週間でふ化し、幼生となり、約3ヶ月で変態し、亜成体となります。
 産卵のため、水辺に出てくる以外は石、倒木、木の葉の下などで、生息しているとされていますが、その生態の解明はあまり進んでいないのが現状です。観察は春の産卵時期がチャンスといえます。

●大阪近郊では3種
 大阪近郊で見られるのは、カスミサンショウウオ、ブチサンショウウオ、ヒダサンショウウオの3種です。
 カスミサンショウウオは低地の止水域に生息しているので、開発による生息地の消滅が最も心配されています。尾の上下に黄色っぽいすじがあるのが特徴ですが、地域差があり、これが決め手とはなりません
 ブチサンショウウオは小渓流の流水域に生息し、ナス紺の地肌に銀灰色の斑紋がありますが、体色の変異は大きいので、これも決め手には難しいでしょう。
 ヒダサンショウウオはブチサンショウウオの亜種とされていたのですが、研究の結果、別種と判定されています。黒褐色の地肌に黄色、オレンジの小紋が特徴です。ブチの近縁種なので、見分けができないこともありますが、腹側に模様がないのがヒダサンショウウオで、腹側にも模様があるのがブチサンショウウオです

▼環境庁レッドデータ
●絶滅危惧1-A類
アベサンショウウオ
●絶滅危惧1-B類
ホクリクサンショウウオ
ハクバサンショウウオ
●絶滅危惧2類
オオイタサンショウウオ
オキサンショウウオ

●準絶滅危惧
ベッコウサンショウウオ
キタサンショウウオ
オオサンショウウオ


●絶滅のおそれのある地域個体群
京都・大阪地域のカスミサンショウウオ
東京都のトウキョウサンショウウオ
本州・九州地域のオオダイガハラサンショウウオ。

オレンジの小紋が美しいヒダサンショウウオの成体。卵は石の下に産み付け、コバルトブルーに輝き、たいへんきれい。
日本産のサンショウウオ
--サンショウウオ科--

▼サンショウウオ属
カスミサンショウウオ
西日本に広く分布
トウキョウサンショウウオ
関東の低山地に分布
クロサンショウウオ
東日本に広く分布
エゾサンショウウオ
北海道に広く分布
トウホクサンショウウオ
東北地方全域に分布
ツシマサンショウウオ
長崎県対馬に分布
オオイタサンショウウオ
大分県に分布
アベサンショウウオ
京都丹後半島の一部に分布
ホクリクサンショウウオ
石川、富山県に分布
ヤマサンショウウオ
飛騨山地に分布
ハクバサンショウウオ
長野県白馬村のみに分布
(以上11種が止水性のサンショウウオ)

ヒダサンショウウオ
関東西部、中部、近畿北部、山陰に分布
ブチサンショウウオ
西日本、四国、九州に分布
ベッコウサンショウウオ
九州阿蘇、霧島山地に分布
オキサンショウウオ
島根県隠岐に分布
オオダイガハラサンショウウオ
紀伊半島、四国、大分県に分布
(以上5種が渓流性のサンショウウオ)

▼ハコネサンショウウオ属
ハコネサンショウウオ
本州、四国の高地に分布

▼キタサンショウウオ属
キタサンショウウオ(北海道釧路湿原に生息)
たまりに産み付けられたカスミサンショウウオの卵。
カスミサンショウウオの幼生。首の上にはエラ呼吸のための「外鰓」が見られる。。

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