謎の生態 <分布・行動・繁殖>
オオサンショウウオは、世界最大の両生類として日本が誇れる貴重な生き物だが、その生態の多くは謎だらけで、近年ようやく、研究者グループなどにより、河川調査や生態研究が行われるようになり、その解明が進んできました。それでもまだまだ分からないことだらけなのです。
●名称
 標準和名はオオサンショウウオ。学名はAndrias japonicus。英名はJapanese Giant Salamander。
 日本ではハンザキ、アンコ、ハダカスなど地方名も数多く、中国地方で一般的な名前の「ハンザキ」とは、半分に裂いても生きている、また、口を大きく開けたときに、半分に裂いたように見えるからと言われています。

●分布
 日本では岐阜県以西の本州と四国、九州の一部に生息しています。分布の中心は中国地方で、大阪北部はその東端にあたります。
 分布域外でも発見されることがありますが、人間の手によって移動させられた可能性が強いとされています。しかし、明確に分布域が確立されているわけでもありません。

●生息場所
  主に山地の河川上流域に生息し、終生を水中で過ごす。水深の深いところでも浅いところでも見つかるが、流れの緩いところや淀みで活動することが多い。隠れ場所は川岸にできた横穴や大岩のすき間などで、暗くなってからエサ場へと移動します。
 また、山間渓流だけではなく、下流域の人家近くでも目撃されることがありますが、大雨などで上流から流されて棲みついたもので、本来の生息域ではないと思われます。

●行動
  強い夜行性をもち、日が暮れてから活動が活発になるが、まれに日中でも見られます。夜になるとエサを求めて巣穴から出て、川の中を徘徊します。動きは一般的に鈍いのですが、瞬間的に素早い動きをとるので驚かされます。陸上の歩行は苦手ですが、水中では機敏な動きをします。

●食性
  エサは小魚が主で、頭を下流に向け、魚が目の前に来るのを待ちかまえ捕食します。魚を追いかけて捕まえるほどの動きがとれないので、ほとんど待ち伏せ型です。魚のほかに沢ガニやカエルなど、口の前に来たものは何でも捕食すると言われています。

●身体の特徴
 平均体長は50〜60cmと大きく、中には1mを越えるものもいます。体の背面は暗褐色で不規則な黒っぽい斑紋があります。皮膚はしわやイボが多いのような感じで、胴の側面は厚いヒダ状になって連なっています。
 扁平した大きな頭とよく発達した尻尾を持ち、目は非常に小さく、口は大きくさけています。足は短く、前肢の指は4本、後肢の指は5本で、指にはツメはなく、歯は小さいが鋭く切れるので、注意が必要です。

水中を歩くオオサンショウウオ。体色は意外と明るく、流れのない澄んだ水中では、容易に見つけることができる。
一生を水中で過ごすため、水深のある場所では自在な姿勢をとり、動きも機敏である。
ときには陸上を歩くこともある。オオサンショウウオのとって、一番危険でもある。
●繁殖
   産卵は8月下旬から9月下旬にかけて行われます。川を遡っていき、オスが産卵に適した巣穴を確保し、続いてメスが入って産卵が行われます。卵は1尾のメスで500〜700粒を産み、オスが巣穴に残りふ化するまで卵を守ります。
 オスとメスの区別は繁殖期以外は困難で、外見ではオスは総排泄口の周りがドーナツ状にふくらみ、メスはお腹が大きくなります。

●成長
 巣穴の中の卵は約50日でふ化し、親に守られ巣穴の中で成長し、約4、5cmになった翌年の1月から2月にかけて巣穴から出て川へと散っていきます。
 その後の成長は明確には解明されていません。30cmぐらいの大きさになるのに5、6年かかるとされていますが、野外下では個体差が大きく、大きさから年齢を推測することはできません。

オオサンショウウオの卵。マスカット大の大きさの卵が数珠つなぎになってつばがっている。

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